医療ニュース 2024.02.29
花王とアース製薬、虫ケア領域で協業…化学合成剤不使用の殺虫剤をタイで販売へ
花王とアース製薬は29日、蚊による感染症課題に取り組むため、「虫ケア(虫駆除)領域」で協業を始めると発表した。両社が共同開発した、化学合成剤不使用の殺虫剤「アース モスシューター」を7月にタイで販売する。
花王が開発した蚊の羽や体をぬらすことで飛行を妨げる技術を応用し、現地調査なども踏まえて約半年かけて製品化した。まずは、アース製薬が虫ケア市場2位(約17%)の影響力を持つタイで販売を始め、今後タイの周辺国や日本での販売も検討する。商品の価格は日本円で約550~600円で、タイ市場では中価格帯に相当する。
蚊が媒介するデング熱は地球温暖化などを背景に世界的に感染者数が増えており、特に東南アジア各国では社会課題となっている。
この日の記者会見で花王の長谷部佳宏社長は「できるだけ早く多くの人の命を救いたい思いで手を組んだ」と話し、アース製薬の川端克宜社長は「この商品をエンジンに、2025年にはタイでナンバーワンを目指す」と語った。