医療ニュース 2024.01.30

脳に装置埋め込み手術、「念じるだけでスマホ操作可能」が目標…マスク氏の新興企業が臨床試験

 【ワシントン=冨山優介】実業家イーロン・マスク氏は29日、自身が率いる米医療新興企業「ニューラリンク」が、神経活動を読み取る小さな装置を人の脳内に埋め込む臨床試験に着手したと明らかにした。体が不自由な人でも念じるだけで、コンピューターやスマートフォンを動かせるようにすることを目指す。

 マスク氏はX(旧ツイッター)で、「昨日(28日)、最初の人間がニューラリンクによる(装置の)埋め込み手術を受けた。順調に回復している」と述べた。

 脳と機械をつなぐ技術は「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」と呼ばれる。装置は神経活動を読み取り、無線で信号を外部に飛ばすことができるという。

 同社によると、臨床試験の対象は、筋 萎縮いしゅく 性側索硬化症(ALS)と脊髄損傷の患者。昨年5月、米食品医薬品局(FDA)から試験実施の承認を得たと発表していた。