医療ニュース 2024.01.23

大学病院での医師の教育や研究は「労働」、厚生労働省が曖昧な「自己研さん」通達を改正

 厚生労働省は、医師が知識や技能を習得するための「自己研さん」に関する2019年7月の通達を一部改正し、労働に該当する具体例として、大学病院での教育や研究を明示した。従来の通達は、自己研さんと労働の線引きが曖昧で、 恣意しい 的な運用を懸念する声が医療現場から上がっていた。医師の残業時間を制限する「医師の働き方改革」が4月から始まるのを前に、解釈を明確化する狙いがある。改正は15日付。

 同省は、診療などの本来業務と直接関連がなく、上司の指示もない自己研さんは、労働に該当しないとの考え方を通達で示し、その運用方法については別の通達で説明していた。

 しかし、昨年8月、甲南医療センター(神戸市)の専攻医が過労自殺した問題が発覚。労働基準監督署が認定した長時間労働について、センター側は「自己研さんが含まれる」と反論し、各地の医師から、本来は労働にあたる時間が自己研さんとして処理されているとの声が相次いでいた。

 こうした状況を受け、自己研さんの考え方に関する通達は維持した上で、運用方法に関する通達を改正した。大学病院の教育や研究は本来業務にあたると明示。具体的には、▽試験問題の作成・採点▽学生の論文作成に対する指導――などを挙げた。

 一般病院については、具体例は示さなかった。その理由について同省は「自己研さんと業務の区分が難しい」としているが、今回の改正で「医師と上司の理解が一致するよう双方で十分に確認すること」を求める文言を新たに加えた。

 同省は「一般病院も、大学病院の考え方に準じて業務との関連性を適切に判断してほしい」としている。