医療ニュース 2024.01.23
出生前検査、ダウン症など3種類からの拡大ルール案…日本医学会の認証施設での実施など盛り込む
妊婦の血液から胎児の病気を調べる「新型出生前検査」について、こども家庭庁は、臨床研究として現在の3種類の病気以外に検査対象を広げて実施する際のルールの素案をまとめた。検査対象は一律でなく、胎児に病気がある可能性が高い妊婦とすべきことや認証施設での実施などを求めている。同庁の専門委員会が年度内にもとりまとめる予定だ。
検査は現在、日本医学会の運営委員会から認証された施設で、ダウン症など3種類の病気に限って調べている。しかし、認証されていない施設では3種類以外の病気まで検査しているところもある。検査対象を広げる場合、現時点では検査精度などが十分に確立されていないため、臨床研究として進め、検査の妥当性を評価する必要がある。
素案では、3種類以外の病気を対象とする場合、〈1〉胎児の病気を早期に発見し、早期治療につなげることを念頭に置く〈2〉遺伝カウンセリングやサポートを受けられる認証施設で行う〈3〉各施設の倫理審査委員会で審査を受け、日本産科婦人科学会に報告する――ことなどを盛り込んだ。
委員からは、より慎重な審査体制を望む声も出ている。こうした意見も踏まえ、最終的にルールをとりまとめ、認証施設で臨床研究を行う際の参考にしてもらう。
新型出生前検査 妊娠9~10週頃以降の妊婦から採血し、胎児にダウン症などの疑いがあるかどうかを調べる。病気が分かると、人工妊娠中絶を選択する妊婦も多く、倫理的な課題がある。日本医学会の運営委員会が認証していない施設で検査し、メールで検査結果を送るだけで相談に応じないなどのトラブルも起きている。
◆新型出生前検査 =妊娠9~10週頃以降の妊婦から採血し、胎児にダウン症などの疑いがあるかどうかを調べる。病気が分かると、人工妊娠中絶を選択する妊婦も多く、倫理的な課題がある。日本医学会の運営委員会が認証していない施設で検査し、メールで検査結果を送るだけで相談に応じないなどのトラブルも起きている。