医療ニュース 2023.12.25
アルツハイマー病の新薬レカネマブ、東京・大阪でさらに数人投与予定…50代患者2人に投与
東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区)は25日、アルツハイマー病の新薬レカネマブ(商品名レケンビ)の治療を、都内の50歳代女性に行ったと発表した。大阪公立大病院(大阪市)でも21日に50歳代男性に投与したことがわかった。20日に新薬の保険診療が可能になり、認知症診療の拠点病院で治療が始まった。
レカネマブは、日本の製薬企業エーザイなどが開発。アルツハイマー病患者の脳内に蓄積する異常なたんぱく質アミロイド β を取り除くことで、認知症の進行を遅らせる効果が初めて認められた薬だ。ただし、低下した認知機能を戻す効果はなく、対象は早期の患者に限られる。
都内の女性は、昨年秋に早期のアルツハイマー病と診断された。脳内のアミロイドβの蓄積も検査で確認された。
25日は午前9時半過ぎから1時間余りかけて点滴を受けた。今後も2週間ごとに通院、点滴する。定期的にMRI(磁気共鳴画像)検査も受け、脳内に微小出血などの副作用が起きていないか確認する。
同センターの岩田淳副院長によると、年明け以降、早期アルツハイマー病と診断されている数人に投与する予定だ。
大阪公立大病院では、21日に、若年性認知症外来に通っていた50歳代男性に投与した。同病院の脳神経内科によると、事前に、画像診断に当たる放射線科や看護部などと副作用対策の検討会を開くなどし、投与に向けた準備を進めてきた。3月末までに数人に投与するとしている。