医療ニュース 2023.12.18
HPV検査、子宮頸がん検診に来年4月導入決定…発症リスクがある人の早期発見に期待
厚生労働省は、市区町村が実施する子宮 頸 がん検診に、がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を調べる検査を来年4月から導入することを決めた。30~60歳を推奨する対象に設定した。導入するかは自治体の判断次第で、準備が整ったところから順次始める。18日の有識者検討会で了承された。
子宮頸がんは性交渉によるHPVの感染が主な原因だ。新たに加わる「HPV検査」は、子宮の入り口近くから細胞を採取し、細胞がHPVに感染していないかを調べる。がん発症のリスクがある人を早期に見つけられる利点がある。
子宮頸がん検診は20歳以上の女性が対象で、がん細胞などの異常の有無を調べる「細胞診」という検査法が実施されている。自治体がHPV検査を導入する場合、20~29歳には従来通り細胞診を行い、30歳から切り替える。
HPV検査で「陰性」と判定された人は、次回は基本的に5年後となり、2年に1回受ける細胞診と比べ、受診者の負担は軽くなる。ただ、「陽性」と判定されれば細胞診を行い、異常が見つからなくても発症のリスクが高いため、1年後に検診を受ける。