記事・コラム 2024.03.26

EIRL STORY ユーザー事例 Vol.1

医療AI のキャッチ性から導入 見落とし防止だけでなく 患者様との コミュニケーション ツールとして活用

 ❶EIRL Brain Aneurysm 導入のきっかけ 

ビジュアルとキャッチ性で他院との差別化が狙い

 私自身、豊富な脳MRIデータを活用して、AI解析などのプロダクト化が出来ないかと考えたことがありました。知り合いの放射線科医に聞いてみたところ、アメリカではAI 分野は日本より格段に進んでおり、今から日本で取り組むのは厳しいのではないかと言われました。そこで、日本で脳神経外科領域の医療AIを探していたときに出会ったのが、エルピクセルでした。
 MRI 画像の上にマーキングされるビジュアルと「AI 導入しています」というキャッチ性で、他院との差別化を図る目的で導入を決めました。医療AIをもっと身近に感じてもらい、未来的な医療を患者様に見てもらいたいと思ったのです。

 ❷EIRL Brain Aneurysm 活用シーン 

医師による二重読影+AI のトリプルチェックAI脳ドック®️

 当院の脳ドックは、専門医である私ともう1名の専門医による二重読影体
制をとっておりました。現在ではそれに加え、EIRLBrain Aneurysm を加えたトリプルチェック体制で見落とし防止に努めています。MRI撮影後に私が一次読影を行いますが、診察室で、患者様のいる前で画像結果の説明をします。画面上で〇マークがあると、ご自身のことを知りたい患者様は「これは何ですか」と質問されます。EIRL のマーキングがきっかけで、会話が弾み、コミュニケーションツールとしても有効に活用できています。

 ❸EIRL Brain Aneurysm 導入のメリット 

「疲れ知らずのAI」が読影サポート
見落とし防止に貢献

 導入することにより読影時間が短くなり、楽になりました。
 山ほどある画像データの中で、こことここはとりあえずチェックしておこうというランドマークを付けられるのは、非常に助かっています。
 また、医師も人間ですので長時間読影をしていると次第に疲れてきます。脳外科の領域では、患者様1人の頭部MRIで画像枚数が500枚程度あります。患者様10人で5000枚に及びます。当然、精度を保つように読影していますが疲労の影響がないわけではありません。人間ですので見逃す可能性もありますが、AIであれば疲れ知らずなので、非常に頼もしいです。

 ❹EIRL Brain Aneurysm バージョンアップによる使用感の変化 

「偽陽性の改善」でより実用的に

 バージョンアップ前は偽陽性の検出も多く、自分自身で読影した方が早いと感じることがほとんどでした。最近はバージョンアップされて、有意義な候補をピックアップしてくれるようになりました。ぱっと見た際「これ確かに怪しいかもしれない」と思う場合も指摘してくれるなど、より実用的になったと感じています。

※ 2021年6月、偽陽性数を削減し、脳動脈瘤候補点の検出精度が向上したバージョンについて一部変更申請の承認を取得

 ❺EIRL Brain Aneurysm 活用アドバイス 

第三者の読影結果の参照は患者様の利益に

 今回のバージョンアップによって、解析精度の向上を感じます。一方、AIはあくまで補助診断ですので「EIRLを導入したから何の資格もない人が読影出来る」と言うのは危険だと思っています。患者様は検査をするために来院するのではなく、検査や読影では正しい結果が分かることが重要です。つまり「誰が読影するか」が肝要であって、AIという武器を適正に使える方にこそ使っていただきたいと思います。最終的には患者様の不利益にならないよう、AIをはじめ自分以外の読影結果を参照することは非常に重要ですので、多くの医療機関に導入いただいて欲しいと思います。

 ❻EIRL Chest Nodule 導入のきっかけ 

二次読影「質」に対する「疑問」がきっかけに

 特定健診でも、二次読影は医師会によって行われていますが、膨大な量の読影を数名の医師で行っています。その全員が呼吸器内科専門医や放射線診断専門医ではなく、領域の違う先生も二次読影に参加しています。

 また、読影されている先生も高齢化しているのが現状です。私が異常なしと診断し、医師会の二次読影で精査が必要となり、胸部CT 検査を行った患者様もいらっしゃいましたが、何か指摘されることはまずありませんでした。このように二次読影の質に疑問を思っていた際、EIRL Chest Noduleを紹介いただいたことがきっかけです。

 ❼EIRL Chest Nodule 導入のメリット 

AI指摘は二次のCT検査で何らかの有所見となることも

 一次及び二次読影で問題がなくても、AI が異常を指摘しているケースに対して二次検査となるCT 検査を行うと、CT上に何かしらの所見を認めることが多く、大いに役立っています。現在の検出対象は肺野だけですが、胸部すべてに対応できるようになると良いと思っています。

・ 販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL aneurysm
  承認番号:30100BZX00142000
・ 販売名:医用画像解析ソフトウェア EIRL X-Ray Lung nodule
 承認番号:30200BZX00269000

発行:エルピクセル株式会社
〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-6-1 大手町ビル6F
TEL: 03-6259-1713

https://lpixel.net/products/

『EIRL STORY』では医療従事者の方々へ、ユーザー事例として医用画像解析ソフトウェア「EIRL」を紹介しています。 2022.Jan.